アカントアメーバ ~ CL関連角膜炎 2022年5月公開
土壌、沼地や池などの淡水、プールの水など自然界に広く生息する自由生活性のアメーバである。栄養体とシストの二つの形態をとり、特にシストは耐乾性・耐熱性・耐薬品性をもつため治療に難渋する。1974年、Nagintonらは湖沼での遊泳者に生じたアカントアメーバによる角膜炎を初めて報告した。その後、コンタクトレンズ装用者を中心に1980年代に米国で、1990年代に英国で大きなoutbreakがみられ、本邦でも1988年、石橋康久らが最初の症例を報告している。2004年以降、米国にて再度のoutbreakがあり、これに同期して本邦でも急激に患者数が増加し、大きな社会問題となった。本疾患の多くはコンタクトレンズ(CL)装用者であり、不適切なCLケアやケア用品の消毒効果不足が原因として指摘されている。(宇野敏彦)
日本眼感染症学会
Japanese Association for Ocular Infection
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