緑膿菌 ~ CL関連角膜炎 2022年4月公開
頻回交換型コンタクトレンズ(CL)の開発に伴って、CL装用に伴う眼合併症の減少が期待されたが、実際には2000年代半ばより緑膿菌角膜炎が若年者を中心に増加し、重篤な視力障害を後遺症として残す結果となった。期日を過ぎても新しいCLに交換しない、多目的用剤をCLケースに継ぎ足して使うなどといった、想定外の不適切なCLケアがケース内での緑膿菌増殖を招き、発症に結びついたと考えられる。関連学会ワーキンググループの啓発活動によりやや減少傾向とはなったが、今なお新規の発症患者が後を絶たない。とくに最近はカラーCLが普及し、10歳台までもが販売のターゲットとなっている。使用者の利便性とおしゃれ心に歯止めがかからないなかで、いかに感染症の発症リスクを減らすかが喫緊の課題である。(外園千恵)
提供 外園千恵
日本眼感染症学会
Japanese Association for Ocular Infection
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